もはや木曜に更新されないのが当然となったコナン日記第7回(第11話 脱出)


嵐にまぎれてサルベージ船から離れたコナン達はジムシィ救出とフライングマシーン修理の為に必要な部品を求めてインダストリアへと進路を取るのであった。


さて、1話から登場し今回コナンの活躍によって破損、墜落の憂き目にあった飛行艇ファルコ。
現時点においてインダストリアでおそらく唯一の航空戦力であります。と言うワケで今日は飛行艇の話でも。


まずは水上機飛行艇の違いについて。
よく勘違いしてる人が多いのですが、離着水可能な飛行機=飛行艇 ではありません。
コチラが飛行艇 http://fukada-j.hp.infoseek.co.jp/2po-1.jpg
コチラが水上機 http://members.jcom.home.ne.jp/mig_exp/us_curtiss-r3c-2_1925.jpg
つまり水上にある時、主に艇体によって重量をささえている、つまり本体部分が浮きの役割を果たしているのが飛行艇(flying boat)、水面に接しているのはフロートのみで本体部は水に接していないものは水上機sea plane)です。
ゆえに豚のフォルゴーレはフネでありますが、カーチスの機体はあくまでもヒコーキなワケです。


などという航空機オタ以外にはどうでもいい話はこれぐらいにして本筋に。
言うまでもなく飛行艇の最大のメリットというのは離着水可能ということです。大規模な空港設備など無くとも広い水面さえあれば何処でも着陸OK、しかも初期の航空機の時代はエンジンの信頼性が低かったこともあり、とりあえず海面上を飛んでいればいざという時どこにでも降りられるというのはとても大きなメリットでした。
そのため第二次大戦頃までは長距離航空輸送、大洋横断路線などは飛行艇が花形として活躍しており、特に1930年代は飛行艇黄金時代と呼ばれ各国で豪華な大型旅客飛行艇が優雅な空の旅を提供しておりました。


しかし第二次大戦などを機に陸上航空機の信頼性が向上してくるにつれ、飛行艇の万が一の水上着水を想定した運行は必然性が低下し、また陸上航空機の利便性もあって飛行艇は航空機の花形の位置を徐々に退いたのであります。


さて、映画紅の豚の中でもセリフの中に登場したシュナイダートロフィー。
フランス人、ジャック・シュナイダーの主催により1912年から1931年まで12回開催された水上飛行機によるレースです。当時としては世界最大規模の航空レースでした。
現在航空機レースと言えばアメリカのリノ・エアレースが最も有名で、かつて日本人上野健久氏も参加し複葉機部門で見事優勝を飾ったりしたこともありました。
日本に置いては戦後GHQによって航空機開発が禁止されたことや国土の関係、そして危険性の高いスポーツ対する風当たりの強さもあり航空スポーツ自体が非常にマイナーな存在となっております。
しかし日本は海だけはそこらじゅうにあるわけですからどこかの酔狂な企業がスポンサーになって水上航空機レースを復活させてくれないかなぁ …などと実現性の低い夢想をしたりするのでありました。



vintage seaplaneをクリックすればかつての名機の写真が拝めます。
あと紅の豚がらみでいくつか。

どれも紅の豚に出てた航空機のモデルになったと思われる実機です。カーチスはそのまんまなので省略。そういえば魔女の宅急便ではオープニングでハンドレページがそのまんまの姿で飛んでたりもしましたねぇ。